主なプロジェクト
成人期の注意欠如・多動症に対する個人認知行動療法(ADHD-CBT)
2025-04-01
認知行動療法診療部
研究1 成人期の注意欠如・多動症に対する個人認知行動療法(ADHD-CBT)研究
研究の概要
注意欠如・多動症 (Attention-Deficit / Hyperactivity Disorder: ADHD) は不注意、多動性、衝動性を主要な特徴とする神経発達症(発達障害)の一つであり、本邦では成人の約2%の方にみられると報告されています。上記の症状のうち、特に不注意症状が成人期まで持続しやすいと言われています。ADHDの治療としては薬物療法の他に精神療法が知られており、ADHDに対して1990年代後半ごろから認知行動療法 (Cognitive Behavior Therapy: CBT) が適用され始め、さまざまな技法が開発されました。しかし、どの技法がADHDを持つ成人の方に効果があるかについては明確な結論が出ていません。また、欧米で開発された認知行動療法プログラムが生活・文化の異なる日本に暮らしている方にも適用できるかは定かではありません。そこで、私たちは成人期ADHDの方の症状に合わせた、かつ本邦の文化や医療体制に応じたCBTプログラムの開発が必要と考え、研究を行いました。
研究代表機関
国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター研究代表者:久我弘典
共同研究機関
九州大学かなめクリニック
うえむらメンタルサポート診療所
研究に紐づく財源
日本医療研究開発機構(AMED)「研究開発課題名:成人期の注意欠如・多動症に対する個人認知行動療法の統一プログラムの開発(課題管理番号:21dk0307100h0001)」研究助成は2024年3月31日終了。研究実施は2025年3月31日終了。
※本研究の参加者募集は現在行っておりません。参加のご協力をいただいた皆様、ありがとうございます。
研究2 成人期ADHDに対する、認知行動療法を基盤としたモバイルアプリケーションのコンテンツ受容性と
ユーザビリティ(使いやすさ)調査
研究の概要
AMED「成人期の注意欠如・多動症に対する個人認知行動療法(ADHD-CBT)研究」において個人CBTの統一プログラムを開発し、実施可能性を検討しました。国内においてCBTセラピストが不足している現状から、CBTを必要とする、すべての成人期ADHDの方に、対面での定型CBTを提供することは困難な状況にあります。イギリスでは症状に応じて、ガイド付きのセルフヘルプやデジタルを用いたCBT等の活用が、治療の選択肢として示されています。この研究では、成人のADHDに対するCBTを基盤としたモバイルアプリケーション(アプリ)を作成し、このアプリが作成の意図通りに使用できるかを調査し、ユーザビリティ(操作性、機能性、見やすさなどの使いやすさ、満足度)の評価を行う性能評価試験を実施します。
将来的には、アプリの安全性や効果を検証した上で、成人のADHDの方々の治療を支援するためのツールとして普及させていくことを目指しています。研究の過程で、マイレジストリ(精神疾患レジストリ)を活用し、本邦においても、成人期ADHDに対するCBTを普及することが期待されています。
研究代表機関
国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター研究代表者:久我弘典
参考
マイレジストリ 多岐にわたる精神疾患データのレジストリhttps://miregistry.jp
※本研究は研究参加者の募集はしていません。