はじめに
あなたはご自身の強みがなにか、ご存知ですか?
その強みは生活の中でどんな風に活かされているでしょうか?
実は、7割の人は、自分の強みのことをあまりよく知らないことがわかっています。
ですが、自分の強みに気づき、積極的に活かすことは、あらゆる人の精神的な健康に良い影響をもたらすことが示されています。例えば、日常生活において強みを活用している人は、抑うつ感が低く、心理的ウェルビーイングやレジリエンスが高いことなどが報告されています。
強みに焦点をあてた認知行動療法とは
強みに焦点を当てた認知行動療法(strengths-based CBT)とは、米国認知療法センター創設者であるPadesky博士とMooney博士によって提唱されたもので、自分の強みに気づき、その強みを活かすことでレジリエンスを高めることを目的としたプログラムです。SB-CBTは、次の4つのステップからなっています。
ステップ1 強みをさがす
ステップ2 レジリエンスモデルをつくる
ステップ3 レジリエンスモデルを応用する
ステップ4 練習する
強みに焦点を当てた認知行動療法のフィージビリティスタディ(SCAPE study)
SB-CBTはあらゆる人にとって有益なものとなることが考えられます。
認知行動療法センターでは、以下のような方を対象としたSB-CBTの実施可能背や有効性を検討するための臨床試験を行っています。
・うつ病の標準的な治療を終えた成人(18歳以上)の方
・ご自身の強みやその活かし方がよくわからない方
本研究で実施するプログラム(SCAPEプログラム)
SCAPEプログラムは、1回50-60分のセッションを5回行い、治療者と一緒にSB-CBTの4つのステップに取り組んでいきます。
セッションは対面またはオンラインで、個別に実施します。
参考となる論文
・Padesky, C. A. & Mooney, K. A. (2012). Strengths-based cognitive-behavioural therapy: a four-step model to build resilience. Clinical Psychology and Psychotherapy, 19, 283-290.