主な研究
かかりつけ医と心理専門職が連携した心理支援を届けるための仕組みづくり
2023-01-06
認知行動療法診療部
かかりつけ医と心理専門職が連携した心理支援を届けるための仕組みづくり(DISC)
研究について
研究の目的
プライマリ・ケア医療機関(かかりつけ医など、広く皆さんの困りごとに対処し、家族や地域という枠組みの中で診療する臨床医によって提供される、総合性と受診のしやすさを特徴とする医療機関)において、こころの困りごとを抱える方が認知行動療法をはじめとする心理支援を受けやすくするためには、どのような仕組み、制度、方法が必要かを明らかにするための研究を行っています。どんなことをするのか
この研究では、患者さん、医療従事者、心理専門職を対象に、インタビューやアンケート調査を行います。インタビューやアンケート調査では、どのような要因が心理支援を届けることを妨げているのか、また、どのような要因が心理支援を届けることを促進するのかについて伺います。そこで得られた皆さんからの意見を集約し、整理することによって、支援を必要とするより多くの方に支援を届けるために、どのような戦略をとるのが効果的なのかを検討し、今後のより良い仕組みづくりに役立てます。研究実施体制
研究代表機関
国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター認知行動療法診療部筆頭研究者:高階光梨(認知行動療法診療部・研究生)
共同研究機関
国立がん研究センター東京医科歯科大学
京都大学
研究についての思い
内閣府の発表によると、2022年時点で約419万3千人の方が精神障害を抱えていることが明らかになっています。しかし、こころの問題の治療や改善のために医療機関を受診できている人は多くありません。具体的には、精神的な苦痛を感じている方の中で、軽症者の4%、重症者の16%しか、医療機関を受診していません。このような低い受診率には、さまざまな理由が考えられます。例えば、そもそも支援について知らない、精神障害に対して良くないイメージをもっている、支援を受けたくても時間や距離などの制限があってアクセスできないなどです。このように、支援を受けられないことによって、もっと早期に回復できたかもしれない苦しみが長引いてしまったり、さらに悪化してしまう方も少なくありません。私たちは、この研究を行うことによって、皆さんの身近なかかりつけ医などにおいて、心の困りごとを抱える方が有効性の認められた心理支援につながることのできる仕組みづくりの一助になることを願っています。研究に紐づく主な財源
日本学術振興会科学研究費「プライマリ・ケア医療機関における心理療法の実装戦略の基盤構築(研究代表者:高階光梨,研究課題番号:22K03165)」