主なプロジェクト

トラウマを抱えた青少年のための認知処理療法
2023-02-17 研究開発部

トラウマをかかえた青少年のための認知 にんち 処理 しょり 療法 りょうほう

 

トラウマを かか えた青少年のための認知 にんち 処理 しょり 療法 りょうほう (Cpt for Adolescent and Young Adult with Ptss ;CAYAP)について

私たちは、人生においてさまざまな体験をします。うれしいこと、楽しいこと、いやなこと、悲しいこと、なかには、心が きず つくような体験も・・・
望んでいないことが起こったとき、私たちはそれを受け流したり、向き合って何とか対処たいしょ できないか こう 錯誤 さくご したりします。そして、そのような経験をくりかえす中で、新たな気づきや人とのつきあい方を学んでいきます。
しかし、自分のがんばりではどうにも対処たいしょ できないくらいに心に きず ってしまうこともあります。
CAYAP カヤップ は、つらい出来事を体験した思春期から青年期(13~25 歳)の方を対象 たいしょう にしたトラウマから回復 かいふく するための心理 しんり 療法 りょうほう です。
 
思春期・青年期に体験するトラウマ
思春期から青年期にかけて(10 代から20 代に)体験されるトラウマには、例えば、『いじめ、 ぎゃく たい体罰 たいばつ暴力 ぼうりょく おど し、性的 せいてき いや がらせ、大切な人の突然 とつぜん の死』などがあります。つまり、人から きず つけられたり、人との関係が原因 げんいん でトラウマとなる場合が多いのです。
もちろん、直接は人とは関係のない自然 しぜん 災害さいがいや事故などのトラウマもあります。その場合でも出来事が こったとき、またはその後の人との関係で苦しくなっているということがあるのです。








 
CAYAP カヤップ の内容
思春期・青年期特有 とくゆう のトラウマによる なや みにも取り組むことができるような内容になっています。
なや みや苦しみの かべ をのりこえていく方法を一緒 いっしょ に考えていきます。 人や社会とのつながりを取り もど すことを目指 めざ します。
各回で取り組んでいくことはあらかじめ決まっています。
 

CAYAP カヤップ では何をするの?

◆ レッスン1,2
自分に何が起こっているのかについて学びます。 トラウマ体験をどのように とら えているのか、これまでの自分をふりかえり、自分の気持ちと考えを見て いきます。 レッスンを通して少しだけ はな れたところから落ち着いて自分をながめることができるようになります。 そして、人とのかかわりの中で自分が安全となるための対処 たいしょ 方法を学びます。

◆ レッスン3
自分を大切にすることを学んでいきます。 人とのつながりや感情を安定させることの大切さを知ります。 人と信頼 しんらい できる関係を作り、必要なときに だれ かに助けを求めるなど、日常生活での問題に対処 たいしょ する方法を 見つけていきます。

◆ レッスン4,5
トラウマ体験をどのように とら えているかを見ていきます。 心のしくみを理解する方法として、出来事・考え・感情のつながりに気づくための用紙に取り組み、自分 を なや ます考えがどこに かく れているかを見つけていきます。

◆ レッスン6,7
トラウマ体験をしっかり思い出すことで、自然な感情を感じられるようになることを目指 めざ します。 感情にふれながら、トラウマによって影響 えいきょう を受けた考えを見つけていきます。

◆ レッスン8,9
現実にもとづいたバランスのとれた考え方を学びます。 自分や加害者 かがいしゃ 以外の他人を める考えに焦点 しょうてん をあて、事実にもとづいた考え方に取り組んでいきます。 次に、習慣 しゅうかん となってしまっている考えがないか調べていきます。

◆ レッスン10~14
トラウマを体験したことで影響 えいきょう を受けたと考えられる5 つのテーマ(安全、信頼 しんらい 、力とコントロール、 価値 かち親密 しんみつ さ)に取り組んでいきます。 以前から持っていた考えが、トラウマ体験によってどのような影響 えいきょう を受けたかを考えていきます。 5つのテーマに関係する自分や他人についての問題があれば、その考えに向き合い、事実にもとづく現実的な考えへと見直していきます。


  トラウマの影響えいきょうを受けやすい5 つのテーマ


◆ レッスン15
将来 しょうらい目標 もくひょう を決め、それを達成 たっせい していく方法を考えていきます。 CAYAP カヤップ を取り組んだことでの変化に気づき、治療 ちりょう 終了後 しゅうりょうご も取り組み続ける必要のある習慣 しゅうかん となっている考えがないかを確認かくにんしていきます。
研究実施体制

研究代表機関
国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター 研究開発部
筆頭研究者:片柳章子(研究開発部)
研究代表者:伊藤正哉(研究開発部・研究開発部⾧)

共同研究機関
愛知県精神医療センター
愛知県医療療育総合センター中央病院
久留米大学病院

研究に紐づく主な財源
日本学術振興会科学研究費「青少年の心的外傷後ストレス関連障害への認知処理療法の効果検証と導入 プログラム開発」(研究代表者:片柳章子、研究課題番号:22K03191)

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