ママもパパも、出産前には働いてきた経験があったり、いまも働いておられる方もおられるでしょう。ちまたでは、「ワーク・ライフ・バランス」や「働き方改革」という言葉が聞かれるようになりました。その趣旨は、私生活も、仕事も、調和をとって人生を過ごしていこうということのようです。これに似た言葉に「ワーク・ライフ・エンリッチメント」があります。
「ワーク・ライフ・エンリッチメント」とは?
仕事での体験が私生活に生かされ、私生活での経験が仕事に還元されていき、結果として、それぞれの役割での営みが豊かに、リッチになっていくという考えです。「ポジティブスピルオーバー」という言葉は、ある役割で得たポジティブな経験や学びが、他の役割にも流れ出て(スピルオーバーして)いくという考えです。母として、父としての育児体験は、仕事をしているだけでは絶対に得られない良質な学習体験となるでしょう。どうしたって言うことを聴いてくれない赤ちゃんとの関わりが、部下Xとどう付き合うかの示唆を与えてくれるかもしれません。仕事で学んだオペレーション術が、家庭で生かされ、パートナーの信頼を勝ち得るかもしれません。
「ありとあらゆることを、あらゆる方向への学びへと変換していってやるぜ」
そんな気持ちで家事も仕事も取り組めるのかもしれません。
(文:中嶋愛一郎)