妊婦さんであれば誰もが出産へ不安を感じることでしょう。実際に、出産は痛みを伴う、予測のできない経験ですので、不安を感じることは当然です。
しかしながら、出産への不安や恐怖があまりに強く、日常生活や学業、仕事に影響が出てしまっている場合、専門家の支援が必要とされる分娩恐怖症(tokophobia /maieusiophobia)の可能性があります。
分娩恐怖症は、妊婦さんの15人に1人が経験すると報告されています。分娩への恐怖感には、「出産時の痛み」への恐れや「コントールを失うこと」への恐れが挙げられます。また、一度出産を経験されたことがある場合、これまでのトラウマティックな出産体験から分娩に対して強い不安を感じることがあります。
分娩恐怖症は、不安症やうつ病と併発することも多く、産後のメンタルヘルスにも影響を与えるといわれています。早めに専門機関へ相談しましょう。
(参照文献:Bhatia& Jhanjee, 2012; Demšar et al., 2017)(文:横山知加)