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周産期のメンタルヘルス

出産後1000人に1人の産褥精神病

出産の後に、幻覚や妄想などの症状があらわれ、非常に混乱した状態になってしまう場合があり、「産褥期精神病」と呼ばれています。妊娠・出産にともなって起きる心の病気として一番良く知られている「産後うつ病」は約10〜20人に1人が経験するのに対して、産褥期精神病は、約1000人に1人が発症する病気であるため、聞いたことがない人も多いかもしれません。予後は良いと考えられていますが、まだ良く分かっていません。

産褥期精神病にかかると、家族や地域の支援を借りて育児は一休みして、精神科で入院して治療に集中することになります。入院中には、お母さんの治療だけでなく、退院後の地域での支援体制を整え、家族に病気について理解してもらう機会をもうけ、自宅で過ごしやすい環境づくりを行います。また、次のお子さんの出産のときにも同じような症状になる場合があるため、その後の出産は、精神科と産婦人科のいずれもの体制が整った病院で行うことが推奨されます。

(文:久保田智香)

左:ママ不在の家族でテーブルを囲んでいる様子/右:医師と話しをするママ

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