薬による治療とあわせて、認知行動療法という精神療法も、強迫性障害に効果が高いことがわかってきています。早めに治療を始めるほど回復も早いといわれていますので、無理せず早めに専門機関に相談しましょう。通院で治療する場合が多いです。
「子どもに怪我をさせたんじゃないか」「家の鍵を閉めたかしら」などの考えが繰り返し頭に浮かんできて、子どもの体を繰り返し確認したり、鍵が閉まっているかを確認する行為がなかなか止められないということはありませんか。
止められなくなって日常生活や学業、仕事に影響が出てしまっている場合、強迫症の可能性があります。
強迫症は強迫神経症、強迫性障害とも言います。
強迫症は思春期後半や成人期の初期に発症しやすく、成人40人に1人にみられる意外に身近な障害です。原因はまだ明らかになっていませんが、脳の中の神経伝達物質の調節障害や、脳のある部分の活動性の異常が影響していると言われています。また、妊娠中や産後にも、発症率が上がると言われています。
強迫症の症状は大きく「強迫観念」と 「強迫行為」に分けられます。自分で考えたくもない内容の考えが、繰り返し浮かんできて中々消せないというものが強迫観念です。そのような考えがでてくると、不安になりますよね。その不安を打ち消すためにする行動が強迫行為です。
長期間続くと習慣化し、強迫観念が意識されない場合もあります。具体的には以下のような症状がありますが、他にも様々な症状の様式があります(人によって一つの場合もありますし、複数の場合もあります)。また、症状はストレスがかかったときに悪くなると言われています。
薬による治療とあわせて、認知行動療法という精神療法も、強迫性障害に効果が高いことがわかってきています。早めに治療を始めるほど回復も早いといわれていますので、無理せず早めに専門機関に相談しましょう。通院で治療する場合が多いです。
(文:中嶋愛一郎)