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周産期のメンタルヘルス

思いもよらない出来事。死産の実際

妊娠・出産は昔から当たり前のように行われてきました。でも、おなかの中に命が芽生え、その命を育くみ、世の中に送り出すことがどんなに難しいことか。
2018年度では2,385人の赤ちゃんが死産となっており(22週以降、自然死産)、全妊娠1000人中2.6人が死産ということになります。年齢別で見てみると、1000人に対し、19歳以下と35歳以上で3人を超え(20~34歳では2.5~2.9人)、45歳以上では13.7人と高い数字です。また妊娠全体の全週数における死産・流産は19614人にものぼっています。

昨日まで元気だったはずのおなかの赤ちゃんの心臓が突然止まってしまうということ、こんなにたくさんの人が経験しているのに、病院や母親学級では誰もそんなことが起こるかもしれないことを教えてくれません。どんなにお母さんが気をつけていても起こるときには起こってしまいます。原因はよくわかっていませんが、多くはお母さんに原因があるのではなく、赤ちゃんに何かしらの運命があることがほとんどだといわれています。

自分に起きてしまったら

あまりに突然の出来事に悲しむ間もなく、陣痛促進剤で産まなければならないこともあります。入院中他の妊婦さんを見たくない、元気な赤ちゃんの泣き声がつらい、つらいことは遠慮なく助産師さん、看護師さんに相談してみてください。そして赤ちゃんが生まれたら、やりたいことも是非話してみてください。もしできるなら赤ちゃんを抱っこさせてもらったり、写真を撮ったり。少ししか一緒にいられなかったけれど、思い出を作ることはとても大切なことです。

落ち着いたら少し周りを見て、そのことを話せる場が見つかるといいと思います。安心して話せる誰かと、赤ちゃんの思い出を話したり、涙を流したりできたら。みんな自分からは言わないけれど、同じ思いをした人は案外近くにいるかも知れません。一方でできるなら赤ちゃんと一緒においしいものを食べたり、お出かけしたりしてみましょう。そうするうちに、最初は遠くに行ってしまった赤ちゃんがだんだん近くに感じられるようになり、思い出すたびに温かい気持ち、愛おしい気持ちになるかも…なれたらいいなと思います。

(文:松田陽子)

夫婦で旅行に行きながら、話をしているなど?

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