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社会や行政の動き

「生物心理社会モデル」で理解する周産期メンタルヘルス

周産期メンタルヘルスの生物心理社会モデル私たちの病気や健康を理解するためには、「生物心理社会的モデル」というものが役立ちます。ジョージ・エンゲルが1997年に提唱した生物心理社会モデルは、人間を生物的側面、心理的側面、社会的側面から統合的に捉えようとするときの枠組みです。これら3つの側面は互いに影響をしあっていると考えます。

周産期メンタルヘルスの生物心理社会モデル(Westall & Liamputtong, 2011)を紹介しましょう。図をみると、周産期メンタルヘルスに影響を与える要因は、社会国家レベルから生体内の分子レベルまでに分けられます。例えば、母子保健法などの施策(社会国家レベル)、三歳児神話(子どもが3歳になるまでは母親が子育てに専念すべきだという考え)(文化やサブカルチャーレベル)、ソーシャルサポート(地域社会もしくは家族レベル)などは、ママたちのメンタルヘルスへ影響を与える心理社会的要因と言えるでしょう。また、もし産後うつ病に悩む女性に対して、分子や神経系へアプローチする薬物療法を用いてうつ症状を治療したとしても、周囲からのサポートが乏しいままの場合、心理社会的な問題が解決されず、その女性が必要とする総合的な治療とは言えないでしょう。周産期メンタルヘルスの治療では、生物的側面、心理的側面、社会的側面から統合的に捉えることが大切です。

(文:横山知加)

ママの身体(生物的側面、例えば、ホルモン変化)と気分・感情(心理的側面)⇔ソーシャルサポート(社会的側面)が影響しあっている絵

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