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社会や行政の動き

うつ病や不安症が赤ちゃんに与える影響

うつや不安に悩んでいても治療やケアを求めないママが多いと指摘されています。妊娠中のママは、薬を服用すると赤ちゃんに何かしらの病気や障害が生じるのではないかと不安になります。産後のママは薬を服用すると母乳をやめさせられるのではないかと心配になります。薬を服用したくないと考えるのは当然のことです。しかしながら、治療しないことが赤ちゃんの発達(例えば、早産や低体重、言語発達など)に影響を与えます。つまり、妊娠中や産後だからこそ適切に治療やケアを受けることが大切なのです。

周産期メンタルヘルス支援が進んでいるイギリスやオーストラリアの治療ガイドライン(NICE, 2017, BeyondBlue, 2011)を紹介しましょう。例えば、うつ病に対する治療では、その重症度によって治療法が異なります。産後うつ病の治療ガイドラインでは、症状が全くない場合、専門家によって早期に産後ケアが実施されます。次に、軽度の症状である場合、産後ケアに加えて、対話を通して困っていることや悩んでいることを解決していく非支持的なカウンセリングが実施されます。軽度から中等度の症状である場合、さらに専門的な心理療法(認知行動療法など)が実施されます。重度の症状である場合、専門的な心理療法と薬物療法が併用されます。服薬よりも母親のうつ症状が赤ちゃんに与える影響が大きいと判断されたとき、薬物療法が用いられます。

このように周産期メンタルヘルスに対する治療では、薬物療法だけでなく、専門的な心理療法(認知行動療法)が重視されています。妊娠中や産後は、ママ本人だけでなく赤ちゃんのためにも援助を求めて、専門家へ相談しましょう。

(文:横山知加)

妊婦さんと心理療法(カウンセリング)、薬物療法の絵

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